)” の例文
しばらく、物く、たく、しかも陽気な世の中が自分にまみえた。自分は娯しい中に胸迫るものを感じ続けて来た。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
が——言葉の上では強くても、お袖には、たさ、弱さ、恨めしさ、お縫以上のものがあった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
築山の木枝の参差しんしへかけて、満庭まんていの鬱々としてまた媚々びびたる、ものゝ芽の芽立ちの色の何というたましいまでに美しく人をき付けることでしょう。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)