婦負ねい)” の例文
今申しました紅殻入べにがらいりの紙は、越中婦負ねい郡の八尾やつお地方で作られます。土地では「赤傘あかがさ相竹あいたけ」と呼びます。この町は和紙で誇るべきものを幾種かちます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
しかるに越中婦負ねい速星はやほし村大字麦島には字梠場ころばという地名がある。梠の字をコロに宛てたのである。そのコロバもまた一つの「清ら庭」であろうかと考える。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ところが北国の方でも婦負ねい射水いみずの二郡の境では、雀をノキバノオバサンなどという処があるのである。
私は同じものを富山県の婦負ねい郡長岡村でも見ました。大樋のをならったのに違いありません。金沢の特産としては金銀の「はく」があります。裏町を歩くと時折箔打はくうちの澄んだ音を耳に聞かれるでしょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
婦負ねい郡の或る村ではエレンナカというそうだが、是が少しばかりはヰロリと近い。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
中央の諸国ではこの語の使用はつとに絶えたけれどもたとえば陸前登米とめ石森いしのもり村の大字加賀野、盛岡市の大字加賀野、越中婦負ねい細入ほそいり村大字加賀沢等、『地名辞書』に見ゆる多くのカガは
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)