失態しったい)” の例文
定刻ていこく出仕しゅっしして定刻に下城げじょうし、その間は、仕事をしているごとく見せかけて、要領よくブラブラしていさえすれア、大した失態しったいのない限り、まずお役御免なんてことはない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「かかる際、平時の処断はとっておれん。秀吉を呼びつけるのも、彼の意見を聞こうためではない。かかる失態しったいかもした筑前の責めを問うのだ。——信盛、はやく使いに立て」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「物には順序がござりましょう、まず、次郎の失態しったいはあの仮面めんで、仮面が返らぬうちは、おそらく御隠家様も、彼の勘当をお許しにはなりますまいし、次郎もおめおめ姿を見せますまい」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まかりちがって、正当せいとうなやくそくのもとに試合しあいして、どうどうと、かれに咲耶子さくやこを持ってゆかれるようなことがあった日には、それこそ石見守いわみのかみ立場たちばがない。かれの失態しったいはなんとしてもまぬがれない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というのは、梅若の能の失態しったいにたいして、信長から
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)