“大蔵経”の読み方と例文
読み方割合
だいぞうきょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鉄眼は、人も知る通り、一生涯のうちに、大蔵経だいぞうきょう版木はんぎを完成して、後世の文化に伝えようという悲願を立てた僧である。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昔から小説家は必ず主人公の容貌ようぼうを極力描写することに相場がきまってる。古今東西の言語で、佳人かじん品評ひんぴょうに使用せられたるものを列挙したならば、大蔵経だいぞうきょうとその量を争うかも知れぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
岩を机とし、獣油をともし、かれは、さながら大蔵経だいぞうきょうを写しにかかる行者のごとく、端然と洞穴ほらあなにこもって、自分の血とぎらん草の汁へ筆をぬらしはじめた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)