大段おおだん)” の例文
地肌の透けて見える精のない薄白髪うすじらがを、真田さなだの太紐で大段おおだん茶筅ちゃせんに結いあげ、元亀天正の生残りといったていで、健骨らしく見せかけているが
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
戦争の諸道具を大段おおだんに買いつけ、織田もその敵の毛利にも、そのまた敵の細川にも、一切無差別に売りこかし、相模府中の小田原に南蛮座をつくって
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
甚八と仁一郎の二人がそれにとりつき、岩穴の前に立って大段おおだんに振りたてた。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)