大名題おおなだい)” の例文
よし、また、どんなに旅へ出て手厚くされようと、どんなに余分なものが掴めようと、どんな大した大名題おおなだいのようにふるまえようと
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
やっていたっけな。おめえは大名題おおなだい——なに、今だって、いつだって、おいらは茶番をやっているのだ。生きて行くてえことが、それだけで茶番なのだ
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
大名題おおなだいを大名題として、大舞台で、大がかりな興行をやる分には、かお資本もとでさえあれば誰にもやれる芸当で、本当の興行師の腕とはいえない、誰も知らないものを
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
けれども、春秋座は、それこそ大名題おおなだい歌舞伎かぶき役者ばかり集って組織している劇団なのだ。とても僕のような学生が、のこのこ出かけて行って団員になれるような劇団ではない。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)