売女おんな)” の例文
旧字:賣女
そう思うと、売女おんなにたった十五円ばかりのコートの表を一反買ってやるにしても、お前に対して済まないことをするようで気がとがめたけれど、また
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
背が高く、手脚が長くそして、痩せているので、岡場所などを通ると売女おんなたちが
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まさかねえ、蠣殻町の売女おんなを女房にも出来ますまいが、めかけにする分にはかまわない。もっとも私は妾でも女房でも同じこったから……何か用があるんだなあ」
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
早くに化粧みじたくをすました姿に明るい灯影を浴びながらお座敷のかかって来るのを待つ間の所在なさに火鉢の傍に寄りつどうていた売女おんなの一人が店頭みせさきに立ち表われた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)