壮子わたし)” の例文
旧字:壯子
雨は降ることもなく、塁々たる磯の起伏に、たゞ見る一面なるひかりがあふれて、風来の壮子わたしのふかす莨の煙りが、ゆらゆらとして陽炎と見えるばかりであつた。
城ヶ島の春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)