塵屑ごみくず)” の例文
ぐちゃぐちゃになっている書物や帳面を日に乾さねばならぬと思ったり、何と何とが焼け失せたかしらべてみなければならぬと思ったりしたが、このまま塵屑ごみくずにしてしまいたい気もした。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
うずたかかったものであろうが、血餅ちのりが分解して土間に吸い込まれるし、盛上った灰が又、湿気のためにピシャンコになっているので、その下に在った塵屑ごみくずの形を、浮彫レリーフみたいに浮き出させている。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこにあるのは、赤い肩掛をかけた古テエブルと、鞄から出した塵屑ごみくずとだけでしたが、セエラは魔法の力で、奇蹟が行われたのを見るのでした。ベッキイまで、そこらを見廻していうのでした。