地湿じしめ)” の例文
旧字:地濕
しかしひらめいずる美しいほのおはなくて、真青まっさおけむりばかりが悩みがちに湧出わきいだし、地湿じしめりの強い匂いをみなぎらせて、小暗おぐらい森の梢高こずえだかく、からみつくように、うねりながら昇って行く。
曇天 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
が、渋紙はボロボロ、地湿じしめりで縄もすっかり痛んでいる様子です。
雨後の地湿じしめり乾きもやらぬ木立の茂みにはたけのこが伸びかけていた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)