国上くがみ)” の例文
年とつた良寛さんは、五合庵ごがふあんといふ小さないほりに住むことになつた。その庵は、故郷こきやう出雲崎いづもざきから少し離れた、国上くがみといふ山の中腹にあつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
和納の楞厳寺りょうごんじで文字を習い、国上くがみの寺に上って侍童となるまでは不良少年でも何でもなかった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上人は言ふ迄もなく越後国上くがみ山の五合庵に棲むでゐた名高い禅僧である。
山方やまかた国上くがみへかかる道のにぬきて竝べぬ涼し早稲苗わさなへ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
弥彦いやひこの夏山霞ただならず国上くがみは末にうち低みつつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
国上くがみの片山蔭の桐のはな遠く蛙の鳴くがしづけさ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)