四至しし)” の例文
売買譲与の証文には四至ししと称して、所在と反別の他に四方の堺にあるものを掲げることになっていたが、これでは平素の用は足りずそのまた隣の地にも何とか名がなければすまなかった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
けれどもそれだけではやはり分劃等に不便であったとみえて、荘園の堺を示すに用いたのと同じ方法で、四至ししというものを使っている。たとえば東限溝・北限何太夫作・西限道の類である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
単に寺の四至ししを細叙した記文である。それには境木のことをことごとく標木と書いている。これなども多分あの地方の方言で境の樹をヒョウギといったゆえにこの字を使用したものと思う。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)