四山しざん)” の例文
覚一はほっと四山しざんの冷気に顔を撫でられた。すぐ後ろへ、尼も寄りそって来ていたのである。動悸どうきのしずまるのを母子ふたりはひとつに聴きすましていた。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四山しざんも静か。——ぎよせてくる検使舟のの音のみが耳につく。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)