くさみ)” の例文
一旦、円戯場アレエヌの砂に立ってちょいとくさみをするとヴィル・デ・ポオの小道に砂埃りが立つといわれたものでごぜやした。
皇太子は可愛かあいらしい指先でルウズヴエルト氏の鼻の上を押へた。気難しやの大統領はくさみをしさうな顔になつた。
「ははははおもしろい、うぬ! 嫌われて何がおもしろい。畜生、」と自らあざけって、くさみを仕損ったように眉をひそめ、口をゆがめて頬桁ほおげたをびっしゃり平手でくらわし
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたし申譯まをしわけのない御無沙汰ごぶさたしてりましたが貴君あなたもお母樣つかさん御機嫌ごきげんよくいらつしやりますかとへば、いやわしくさみ一つせぬくらゐ、おふくろときたまれいみちやつはじめるがの
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そりゃ大方天狗てんぐくさみをしたのか、そうでなければ三ツ目入道が屍をった音だろう。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)