唐梅紋からうめもん)” の例文
島商人しまあきんどとなって隠岐の配所へ近づいたり、また唐梅紋からうめもんの海賊旗のもとに、後醍醐のご脱出をたすけたりしてきた、あの岩松吉致なのである。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また沿岸には、さきごろ、海賊岩松の唐梅紋からうめもんの旗が出没していたこともあるので、それの牽制けんせいが大いにものをいっていたのかもしれない。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あきらかに“唐梅紋からうめもん”とわかる海賊旗をたてた親船が、出雲の日ノ御碕みさきや多古の沖を出没している」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこはもう石見いわみ沿岸寄りの近くで、名も知れぬ島嶼とうしょのかげに隠れこんだ相手の大小の船をみると、その帆ばしらやみよしには、樺色地かばいろじに白く“唐梅紋からうめもん”を抜いた海賊旗をかかげている。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)