呉清源ごせいげん)” の例文
双葉山や呉清源ごせいげんがジコーサマに入門したという。呉八段は入門して益々強く、日本の碁打はナデ切りのウキメを見せられている。
太宰治情死考 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
兄がいま尊敬している文人は、日本では荷風かふうと潤一郎らしい。それから、支那しなのエッセイストたちの作品を愛読している。あすは、呉清源ごせいげんが、この家へ兄を訪ねてやって来るという。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
この日林町のモミヂといふ旅館で、呉清源ごせいげん八段をかこんで、文人碁客の座談会があつた。豊島与志雄、川端康成、火野葦平に私といふヘボ碁打である。
勝負師 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
私は呉清源ごせいげんと二度しか会ったことがない。この春、月刊読売にたのまれて、呉清源と五子で対局した。
呉清源 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
当時は囲碁界に於て木谷怪童丸と呉清源ごせいげんの両新人が現れて、碁界は三連星、天元等々新風サッソウたるにひきかえ、将棋の方は老朽七八段がガンクビを揃えて、あとにつゞく新風なく
戦後新人論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
呉清源ごせいげんと岩本本因坊の十番碁が読売新聞の主催で行われることになり、その第一回戦がこの旅館でひらかれたのである。私は観戦記をたのまれた。手合の前日の夕方、平山記者が現れて
九段 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)