呆返あきれかへ)” の例文
そして此の氣懸が際限さいげんも無く彼を惱す。で何うかすると呆返あきれかへつたやうに
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ところが去來いざ取懸とりかかツて見ると、ちつとも豫期よきした調子てうしが出て來ない。頭の中に描かれた作品と、眼前がんぜんに描出される作品とはなまり鋼鉄かうてつほどの相違さうゐがある。周三は自分ながら自分の腕のなまくらなのに呆返あきれかへツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)