叶屋かなふや)” の例文
それから木戸番の傳六は、日頃お銀を追ひ廻して居たやうだが、輕業かるわざがはねる前に身體が明いて、横町の叶屋かなふや樽天神たるてんじんを極め込んでゐる。
發足せしが此六郎兵衞は相州さうしう浦賀うらがに有徳の親類有ばとて案内し伊賀亮又兵衞と三人にて浦賀へ立越たちこえ六郎兵衞のすゝめに因て江戸屋七左衞門叶屋かなふや八右衞門美作みまさか屋權七といふ三人の者より金子八百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
淀橋よどばしへ來るとおそくなつてしまひ、掛を集めて大金を持つてゐるので、夜道は物騷だから、淀橋の叶屋かなふやで泊つて、がらにもなく一杯呑んでぐつすり寢込んでしまつて
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
淀橋の叶屋かなふやにやつた湯島の吉が、巾着頭きんちやくあたまを振り立てて歸つたのは二日目の晝過ぎ。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
一方は錢形平次、淀橋の叶屋かなふやに着いたのは、その日の夕方でした。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「横町の叶屋かなふやです。お訊きになればわかります。へえ」