可憫かはい)” の例文
「あんた一人で東京までようおきやすか。」と母親おふくろはもう涙を一杯眼に浮べて「しげ可憫かはいさうに、おつれちつとも出来でけよらんのかいなあ。」
「え、一生涯! まあ可憫かはいさうに。」と婦人は小皺の寄つた顔をくしや/\させた。「そんな約束が何処にあるもんかね。まるで奴隷だわね。」
「ちやんとした身装みなりをしてゐて、可憫かはいさうに貧乏人の二宮金次郎の真似でもあるまい。」