半襦袢はんじゅばん)” の例文
なんと半襦袢はんじゅばんに下帯ひとつという、武士としてまことにいかがわしい恰好になって、しかし恐しく楽しそうに台所へ出ていった。
恋の伝七郎 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのそば半襦袢はんじゅばん毛脛けずねの男たちが、養蚕ようさん用の円座えんざをさっさっと水に浸して勢いよく洗い立てる。からの高瀬舟が二、三ぞう
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
すると女などは浅墓あさはかなものだから、そら鐘が鳴ったと云うので、めいめい河岸かしへあつまって半襦袢はんじゅばん半股引はんももひきの服装でざぶりざぶりと水の中へ飛び込んだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)