半外套はんがいとう)” の例文
彼は半外套はんがいとうを着込み、恐ろしく油じみた黒じゅすのチョッキにネクタイなしでいたが、その顔全体が、油でてらてらしている鉄の錠前みたいであった。
下にも置かず、やっぱり色のせた鼠の半外套はんがいとうそでに引着けた、その一人の旅客を認めたのである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)