千駄木町せんだぎちょう)” の例文
次には先生の東京時代に一高いちこうや大学で英語英文学を教わった広い意味での弟子たちがある。その中で先生の千駄木町せんだぎちょう時代にその門に出入した人たちがある。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その時分進はまだ駒込こまごめ千駄木町せんだぎちょうにあった老父あきらの家にいて、文学好きの青年らと同人雑誌を刊行していたのであるが、鶴子が離別されると間もなく父の家を去って鎌倉に新家庭をつくった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
故坂本四方太よもた氏とは夏目先生の千駄木町せんだぎちょうの家で時々同席したことがあり、また当時の「文章会」でも始終顔を合わせてはいたが、一度もその寓居をたずねたことはなかった。
俳諧瑣談 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)