北浜きたはま)” の例文
じゅくは「適塾てきじゅく」といい、船場せんば過書町かいしょまち(いまの東区ひがしく北浜きたはま丁目ちょうめ)にありました。緒方先生おがたせんせいはすぐれた町医者まちいしゃで、オランダとオランダ医学いがくをおしえていて、おおぜいの書生しょせいがいました。
そんなこといろいろはなしもって知らん間に三休橋さんきゅうばし渡って、本町筋ほんまちすじまで来てしまいましてんけど、私も綿貫も「もうちょっと話しまひょなあ」いうて、電車道越えて北浜きたはまの方い行きましてん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
おきんの亭主ていしゅはかつて北浜きたはまで羽振りが良くおきんを落籍ひかして死んだ女房の後釜にえた途端に没落ぼつらくしたが、おきんは現在のヤトナ周旋屋、亭主ははじをしのんで北浜の取引所へ書記に雇われて
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)