勿怪もつけ)” の例文
清淨しやうじやうみづでもければ、不潔ふけつみづでもい、でもちやでもいのである。不潔ふけつみづでなかつたのは、りよがためには勿怪もつけさいはひであつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
祇園の空を飛んだ若い飛行将校よ、あの折シヨペンハウエルが万亭まんていの二階で流連ゐつゞけをしてゐなかつたのは君に取つて勿怪もつけ幸福しあはせであつた。
勿怪もつけの幸ひといつた有樣でした。
勿怪もつけの幸である。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
先生がお忙しいのは、先生自身に取つても、お客に取つても勿怪もつけ幸福さいはひであつた。孰方どつちも損をしないで済む事なのだから。
この点において、聖母マリアが浅子女史の伯母さんでなかつたのは、耶蘇教徒にとつて、勿怪もつけ幸福しあはせであつた。