加集かしふ)” の例文
そして、この關係した男といふのは、義雄の友人加集かしふ泰助であつて、義雄が一度女と手を切らうとした時、中に這入つて貰つたものだ。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
如何にも、かの女がこちらにちよツと棄てられた間に、こちらの友人なる加集かしふとくツ附いたのであつた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「おれと加集かしふと、それから、ひよツとすると、寫眞の先生と、その學校のハイカラ生徒と——」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
見ると、義雄とお鳥との惡口が出てゐて、中に這入つた加集かしふばかりがいい人物になつてゐる。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「‥‥」義雄はこれを見て、さきに、かの女を見限つて姿を隱したが加集かしふの宿でかの女に見附かつた時のかの女の樣子も——立つてゐたのが違ふだけで——斯うであつたことを思ひ出した。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「でも、きのふ、あの加集かしふに似た人が通つた。」
「そして、加集かしふは御無事か?」
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)