加特力カトリック)” の例文
そうなって、当時の瑞西スイツルを考えると、新教アナバプチスト派の侵入をうけていて、加特力カトリックの牙城が危胎に瀕していたのですからね。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
若くして恋慕の息吹いぶきをかけられなかったと同時に、年老いても罪深い女人どもの懺悔ざんげを聞いてやらねばならぬ加特力カトリックの坊主の役をつとめなくともかったのである。
(新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
日本人にして加特力カトリック教徒だった者の子供なのであろう。周囲の十字架に掛けられた花輪どもはことごとく褐色に枯れしぼみ、海風にざわめく枯椰子ヤシの葉のそよぎも哀しい。
独逸ドイツ仏蘭西フランスいくさありし時、加特力カトリック派の国会に打勝ちて、普魯西プロシヤ方につきし、王が中年のいさをは、次第に暴政のうわさおおはれて、公けにこそ言ふものなけれ、陸軍大臣メルリンゲル
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
五島列島の福江島へゆき、そこの、加特力カトリック信者の漁師の家に隠れた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここの旅舎の者を除いてそういう住民のいるところには小さい加特力カトリックの寺もある。
リギ山上の一夜 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)