剃立そりた)” の例文
話の波が、また中央まんなかかへつて来た。が、頭を青々と剃立そりたてた生若なまわかい坊さんは、勿体もつたいぶつた顔にちよいと微笑を浮べただけで何とも答へなかつた。
野の哄笑 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
笠を取るまではそんなに眼につかなかったけれども、笠を取って見ると米友の剃立そりたての頭が、異彩を放っていることがよくわかるのであります。
(ええ、勿体ないほどお似合いで。)と言うのを聞いて、懐紙をおのけになると、眉のあとがいま剃立そりたての真青まっさおで。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)