全家うちじゅう)” の例文
「イヤこれはこれは、今日は全家うちじゅうが出払って余り徒然つれづれなので、番茶をれてひとりでうかれていた処サ。」と。
魔子は毎日遊びに来たから全家うちじゅう馴染なじみになり、姿を見せない日はほとんどなかったから、大杉や野枝とは余り顔を合わせないでも一家の親しみは前よりは深かった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
久しぶりで全家うちじゅうそろいは珍らしいというと、昨日きのう同番地へ移転ひっこして来たといった。ツイそこの酒屋の裏だというから段々くと、近頃まで何とかいう女医が住んでいた家だ。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)