入来じゅらい)” の例文
旧字:入來
ご用意のおだんな衆が三人ほど参り候まま、万障お繰り合わせご入来じゅらいくだされたく、みなみな首長くしてお待ちいたしおり候。かしこ
「なるほど、ジャップ。たぶんお前の言うとおりかもしれん。だが、きょうお前がここへご入来じゅらいになったのは、どんなご用なのかな?」
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
村あってより見たこともないおびただしい車の入来じゅらいに眼を驚かした村の子供が、草履ぞうりばた/\大勢おおぜい縁先えんさきに入り込んで、ぽかんとした口だの、青涕あおばなの出入する鼻だの、驚いた様な眼だのが
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あゝした時の口元、別れてからも一々眼に浮び、ぜひですよとまたの入来じゅらいを祈られて、こちらでこそぜひ逢いたく、その当座金のある身は、一日が半日、半日が一時でも行かずには居られない
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ピーシチク いよう、これはこれは、ようこそご入来じゅらい……(ロパーヒンにキスする)この可愛かわいい男は、ちょっぴりコニャックのにおいがするな、おい君。われわれもこの通り、愉快にやっとるよ。
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
今日はまた珍客の入来じゅらいとて、朝まだきの床の中より用意に急がしく、それ庭を掃けしとねを出せ、銀穂屋ぎんぼや付きの手炉てあぶりに、一閑釣瓶いっかんつるべの煙草盆、床には御自慢の探幽たんゆうが、和歌の三夕これを見てくれの三幅対
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)