先代萩せんだいはぎ)” の例文
これは近年のことですが、その万金の側に食料品屋が出来て、屋根一ぱいの看板をあげたのが浅田飴あさだあめの広告で、「先代萩せんだいはぎ」の飯焚場めしたきば鶴千代君つるちよぎみの絵でした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
松島座で中村雀三郎じゃくさぶろう一座が先代萩せんだいはぎをやっていたので、仙台の先代萩はどんなものかしらという興味もあり、ちょっとのぞいてみたくなって立見席にはいった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
芝居へ出て来る先代萩せんだいはぎの千松のように、たもとの長い絹物の紋付を着て、頭も顔もお稚児ちごさんのように綺麗になっていましたが、不思議なことに、はかますそはぼけて、足は見えませんでした
われもし政宗公の時代に生れていたならば、とらちも無い空想にふけり、また、俗に先代萩せんだいはぎ政岡まさおかの墓と言われている三沢初子の墓や、支倉六右衛門の墓、また
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
芝居へ出て來る先代萩せんだいはぎの千松のやうに、たもとの長い絹物の紋附を着て、頭も顏もお稚兒ちごさんのやうに綺麗になつて居ましたが、不思議なことに、はかまの裾はぼけて、足は見えませんでした