倶利伽羅坂くりからざか)” の例文
お十夜は幾度も剣山を踏んでいるが、周馬は初めてなので、けわしいのにあきれている、倶利伽羅坂くりからざかでもかなりヘトヘトになった。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「イヤ、意気地のないわけではございませんが、さすがに、倶利伽羅坂くりからざか十八町を、ひと息に上ってまいったので、やや疲労をおぼえました」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「合点です、じゃ……」と、笠をかつぐのと目礼を一緒に、釘抜きの眼八、汗の乾くまもなく、足を急がせて、倶利伽羅坂くりからざかを降りて行った。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうど身のたけぐらいな這松はいまつやつつじが、うまく体をおおい隠したので、そのままジッと、柵の外を眺めていると、さっき倶利伽羅坂くりからざかの上にみえた二人が、依然と、はばかりない高声で話しながら
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
倶利伽羅坂くりからざかの方から、にわかに、殺気だった人声がしてくる——。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
倶利伽羅坂くりからざかでございます」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)