倪雲林げいうんりん)” の例文
この男が自分の倪雲林げいうんりん山水さんすいぷく、すばらしい上出来なのを廷珸に託して売ってもらおうとしていた。価は百二十金で、ちょっとはないほどのものだった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と云ふ意味は、倪雲林げいうんりんが石上の松を描く時に、その松の枝をことごとく途方もなく一方へ伸したとする。
芸術その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はねを無数に積み重ねてその上へ固形物を落し、落ちると同時にそれが翅の中へもぐり込んでしまうように造ったと云う倪雲林げいうんりんの厠なぞも、贅沢ぜいたくさに驚かされるけれども
倪雲林げいうんりんの「西林図せいりんづ」にある湖でも見ているような茫々とした感じを起こさせる。
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)