便無びんな)” の例文
彼はさすがに見捨てかねたる人の顔を始は可傷いたましとながめたりしに、その眼色まなざしやうやく鋭く、かつは疑ひかつは怪むらんやうに、忍びてはまもりつつ便無びんなげにたたずみけるに、いでや長居は無益むやくとばかり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)