佐分利さぶり)” の例文
ゆうゆう、右にかわして、さッと鉄杖にすんのびをくれて横になぐ。あな——とおもえば佐分利さぶりも一かどの強者つわもの、ぽんとんで空間くうかんをすくわせ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐分利さぶりと甘糟はかねて横浜を主張してゐるのだ。何でもこの間遊仙窟ゆうせんくつを見出して来たのだ。それで我々を引張つて行つて、大いに気焔きえんを吐くつもりなのさ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今からザット二十年前、奥州仙台に武芸の道場を構えて居る頃、同じ町内に住んで居る、これも道場の持主、佐分利さぶり流の槍をよくした某と言うものと仲違いをした。
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
夜がふけてから侍分のものが一人覆面して、へいをうちから乗り越えて出たが、廻役の佐分利さぶり嘉左衛門が組の足軽丸山三之丞さんのじょうが討ち取った。そののち夜明けまで何事もなかった。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
とさけびながら佐分利さぶり五郎次、三日月みかづきのごとき大刀をまっこうにかざして、加賀見忍剣かがみにんけん脳天のうてんへ斬りさげてくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と又八が大口おおぐちをあいてあざわらっていると、折もおりだ。祈祷の列に加わっていった足助主水正あすけもんどのしょう佐分利さぶり五郎次などが、さんばら髪に、血汐ちしおをあびて逃げかえってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)