“佐倉”の読み方と例文
読み方割合
さくら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐倉さくらの城主戸田侯が、ふた声ほど呶鳴ったが、内匠頭の耳には通らない。もがきながら、大力の与三兵衛を、ずるッ、ずるっと、三、四尺ほど引きり歩いた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仕切りの唐紙からかみめてくれたり、さあ御手をお出しなさいと云って、佐倉さくらけた火鉢ひばちを勧めてくれたりするうちに、一時昂奮こうふんした彼の気分はしだいに落ちついて来た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
最後に七年四月二十六日に允成のれたしつは、下総国しもうさのくに佐倉さくらの城主堀田ほった相模守さがみのかみ正順まさよりの臣、岩田忠次いわたちゅうじの妹ぬいで、これが抽斎の母である。結婚した時允成が三十二歳、縫が二十一歳である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)