仮店かりみせ)” の例文
それより余は館に行きて仮店かりみせ太神楽だいかぐらなどの催しに興の尽くる時もなくけて泥の氷りたる上を踏みつつ帰りしは十二年前の二月十一日の事なりき。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
寺の門内には仮店かりみせありて物を売り、ひとぐんをなす。芝居にはかりに戸板をあつめかこひたる入り口あり、こゝにまもものありて一人まへ何程とあたひとる、これ屋根普請やねふしん勧化くわんけなり。
それから吉原復興の本普請ほんぶしんが出来上るまでの数ヵ月間は、仮店かりみせというものであった。
そこの仮店かりみせで夫婦が稼ぎ得た収入が二千円近くもあったところから、狭苦しい三畳にもいられなかった二人が、根津の方へ店を張ることになってからも、外の活動に一層の興味を感じて来たお島は
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
寺の門内には仮店かりみせありて物を売り、ひとぐんをなす。芝居にはかりに戸板をあつめかこひたる入り口あり、こゝにまもものありて一人まへ何程とあたひとる、これ屋根普請やねふしん勧化くわんけなり。