以来から)” の例文
旧字:以來
あれもお愛想さと笑つてゐるに、大底たいていにおしよ巻紙二尋ふたひろも書いて二枚切手の大封おほふうじがお愛想で出来る物かな、そしてあの人は赤坂以来からの馴染ではないか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とは云えれさえあの夜以来——外務大臣の夜会の席で、外務大臣の二番目の娘、マリア姫の姿を見て以来からは、一通りの愛さえも消えてしまって、濃厚な彼女の心尽しをさえ
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すると平八は苦笑したが、「俺もこの頃はヤキが廻ったよ。どうも一向元気がない」「いよいよもっていけませんな」「と、いうのもあの事件以来からだ」「鼓賊からでございますかな?」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こういう考えが浮かんで以来から、軽妙な頓智が出なくなった。
五右衛門と新左 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)