仇事あだごと)” の例文
「だめです。ひとたびもうくらんだお人には。——いかなる神占しんせんも耳には仇事あだごと。つまりは、それが運勢というものでな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……が、もしやわらわの留守の中に、一ト矢の争いでも起しては、みな仇事あだごと。きッとはやどもの荒駒を、城戸の内につながせて、よう留守をたのみますぞえ
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)