五度ごたび)” の例文
もし舞妓にきまりの悪い思ひをさせるおそれがなかつたなら、お前は丁度ちやうど五度ごたび鼻洟はなみづすすつたぜと、云つてやりたかつた位である。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おいらア、仕事を仕舞うと直ぐこれで三晩おがみに来るが、彼奴きゃつ流行妓はやりッこだからなア、まだお目にぶら下らねえのさ、今夜ア助見世すけみせに出アがるとこでもと先刻さっきから五度ごたびまわったが
あれ左様さうだあね。誰も彼男あのをとこを庄太と言ふものは無い——みんな「庄馬鹿」と言つてる。日に五度ごたびづつ、払暁あけがた、朝八時、十二時、入相いりあひ、夜の十時、これだけの鐘をくのが彼男あのをとこ勤務つとめなんださうだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
孔明は五度ごたび孟獲もうかくを放した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)