“二束”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふたたば28.6%
ふたつかね28.6%
にそく14.3%
ふたつ14.3%
ふたゝば14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
材木の間から革包かばんを取出し、難なく座敷に持運んで見ると、他の二束ふたたばも同じく百円束、都合三百円の金高が入っていたのである。書類は請取うけとりの類。薄い帳面もあり、名刺もある。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と云いつつ立って違いだなに載せて置いたる風呂敷包みとりおろし、結び目といて二束ふたつかねにせし書類かきものいだし、十兵衛が前に置き、我にあっては要なき此品これ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
鳩居堂きゅうきょどう方寸千言ほうすんせんげんという常用の筆五十本線香二束にそくを買い亀屋かめやみせから白葡萄酒しろぶどうしゅ二本ぶらさげて外濠線そとぼりせんの方へ行きかけた折であった。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一個ひとつの抽匣から取り出したのは、一束ひとつかねずつ捻紙こよりからげた二束ふたつふみである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
助手は根元で無造作に結へてある元結もとゆひを切つて、兩耳の後ろと旋毛つむじの邊にかけて前頭部と後頭部の髮を二束ふたゝばに分けた。分け目には日の目を見ない一筋の皮膚が冷やかな青白さをもつて現はれ出た。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)