あらそひ)” の例文
旧字:
さうしてゐると、不思議なことに、家の人達の気持が和やかになつて、今まで何かあらそひがあつても、自然にとけてしまふといふわけです。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
彼は其生れ故郷に於て相当の財産を持つて居た処が、彼の弟二人は彼の相続したる財産を羨むこと甚だしく、遂には骨肉のあらそひまで起る程に及んだ。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
万国の上には立法の君主が無ければ、国と国との曲直のあらそひそもそたれの手で公明正大に遺憾無いかんなく決せらるるのだ。ここに唯一つ審判の機関がある、いはたたかひ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
遊佐も差当りて当惑のまゆひそめつ。二階にては例の玉戯ビリアアドあらそひなるべし、さも気楽に高笑たかわらひするを妻はいと心憎く。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「かういふことがありました。代官さまと出雲崎のれふしどもが、或事であらそひを起しました。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)