“九輪”の読み方と例文
読み方割合
くりん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うるがんはこの悪魔が、或は塔の九輪くりんの上に手をつて踊り、或は足門あしもんの屋根の下に日の光を恐れてうづくまる恐しい姿を度々たびたび見た。いやそればかりではない。
悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
塔の九輪くりん頂上にそそり立つ水煙すいえんが、澄みわたった秋空にくっきり浮び上っている。蜻蛉とんぼのとびかう草叢くさむらみちをとおって、荒廃した北大門をくぐり、直ちに金堂へまいる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
清澄の茂太郎は、ハイランドの月見寺の三重の塔の九輪くりんの上で、しきりに大空をながめているのは、この子は、月の出づるに先立って、高いところへのぼりたがる癖がある。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)