“乖（もと）” の例文
國民の性情や社會の状態に乖（もと）り乖（もと）つた揚句の果てに無理やりに作出さねばならぬ不自然の大事業ではあるまいか。成程勞して功なきもので有るかも知れない………
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) ／ 永井荷風(著)
人誰か父母の国を思ハざらんや。然ニ忍で之を顧ざるハ、情の為に道に乖（もと）り宿志の蹉躓（さち）を恐るゝなり。志願果して不レ就（ならずん）バ、復何為（なんのため）にか君顔を拝せん。
手紙：039 慶応二年十一月　溝淵広之丞あて (新字旧仮名) ／ 坂本竜馬(著)
昨日踏青（とうせい）小約未だ応（まさ）に乖（もと）らざるべし
阿英 (新字新仮名) ／ 蒲 松齢(著)