乃公おら)” の例文
うん乃公おらが音頭とるべい。音頭とるべいが、皆であとやらんといけねえぞ。音頭取りばかりにさしちゃいけねえぞ——ソラ、ジンバラハラバイタァ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
仙果は何処へか慌忙あわてて出て行こうとする出合頭であいがしら朝帰りの種員を見るや否や、いきなりその胸倉を取って、「乃公おらア今おめえさがしに行こうと思っていた処だ。気をたしかにしな。気をたしかにしな。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
乃公おらが見たと云う者はありませんが、妙な事を云いますよ」
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)