丑刻半やつはん)” の例文
夜中に拔け出したには違ひあるまいが、お島さんが松井町の妹の家を脱け出したのはまだ亥刻よつ前(十時)で、火事は曉方近い丑刻半やつはん(三時)ですよ
夜中過ぎ——丑刻半やつはん(三時)少し前かな。宵に氣分が惡いと言つて騷いだ娘のことが氣になるから、部屋を覗いて見ると、床が空つぽで本人は居ない。
金藏がたつた一人で、私の書いた文句の場所を測り出し、私に構はず掘り出しました。——子刻こゝのつ(十二時)から始めて丑刻半やつはん(三時頃)までに三尺も掘つたでせう。
丑刻半やつはんといふ時刻に、火事と聞いて飛起きた主人と妾は、眠ぼけ眼でこれに足を取られて、手もなく轉げたことだらう、起き出して逃げると、前にも、その前にも罠があつた。
その夜曉方近い丑刻半やつはん(三時)過ぎになつて、相生町の阿波屋では、今度は自火を出して、一瞬のうちに、母屋全部を綺麗に燒いてしまひ、主人榮之助、妾お淺が煙に卷かれて燒け死に