“下顎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
したあご96.2%
おとがい3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
色の蒼白あおじろい、面長おもながな男である。下顎したあご後下方こうかほうへ引っ張っているように、口をいているので、その長い顔がほとんど二倍の長さに引き延ばされている。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
佐八は眠っているらしかったが、眼も薄くあいているし、口は下顎したあごが外れでもしたように、力なくがくりとあいていた。
顔をあげて拝むような目付をしたその男の有様は、と見ると、体躯からだの割に頭の大きな、下顎おとがいの円く長い、何となく人の好さそうな人物。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)