三昧堂さんまいどう)” の例文
ああ貴君のやうにもないお力が無理にも商売してゐられるはこのちからと思し召さぬか、私に酒気さかけが離れたら坐敷は三昧堂さんまいどうのやうに成りませう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なぎさには風流な小亭しょうていが作ってあり、山手のほうには、渓流けいりゅうに沿った場所に、入道がこもって後世ごせの祈りをする三昧堂さんまいどうがあって、老後のために蓄積してある財物のための倉庫町もある。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こんな所にいては人生のことが皆身にしむことに思えるであろうと源氏は恋人に同情した。三昧堂さんまいどうが近くて、そこで鳴らす鐘の音が松風に響き合って悲しい。岩にはえた松の形が皆よかった。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)