三国山みくにやま)” の例文
そこから小手をかざしてみると、うッすらとした昼霞ひるがすみのあなたに、若狭わかさ三国山みくにやま敦賀つるが乗鞍のりくら北近江きたおうみの山々などがまゆにせっしてそびえている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南牧みなみまき北牧きたまき相木あいきなどの村々がちらばっていまして、金峯山きんぷさん国師こくしたけ甲武信こぶしたけ三国山みくにやまの高くそびえたかたちを望むこともでき、また、甲州にまたがったつがたけの山つづきには
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
牛首峠うしくびとうげのあたりで夜営をあそばし、明日、三国山みくにやまをこえ、菩提寺山ぼだいじざん興津峠おきつとうげなどをすぎ、明後日の明け方あたり、鳥越城のうしろから、ふいにおかかり遊ばしたら、お味方の大勝利は
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一番知らせは、富山の商人田畑小兵衛たばたこへえで、佐々成政の軍隊を、加能かのうざかいの山中に行き迷わせ、三国山みくにやま嶮岨けんそから取って返して、金沢までの長途を、すねのつづくかぎり、駈け急いで来たものである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)