三下奴さんしたやっこ)” の例文
どうぞ、なにぶん御贔屓ごひいきにお買上げを願いたいもんで……しがねえ三下奴さんしたやっこのために、路用のお恵みが願いたいんでげして。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
コソドロみたいな、三下奴さんしたやっこみたいな、口説き方はしないでよ。あなたみたいな青二才にナメられた口説かれ方がされたくて、つきあつてゐるのぢやないわよ。鍵をあけて、ちやうだい。
花火 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
としゃしゃり出たのが、古川の英次という三下奴さんしたやっこです。そうすると親分の側にいたあだ名をダニの丈次という三下奴が
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そして彼らが同じころ政策のスローガンにかかげたことはと云えば、隠退蔵物資のテキハツだの遊休大邸宅の解放などと、スパイの中でも三下奴さんしたやっこがやるようなことしかやれなかったのである。
戦後合格者 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
三下奴さんしたやっこたちも三人の密談をさまたげまいとして、すべて控え目になると、この席がしいんとしてきました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私を三下奴さんしたやっこのように心得ている。
ジロリの女 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
公儀には柳生流というお留流儀とめりゅうぎもあれば、実力第一小野派一刀流という、れっきとしたのがある、木口や金茶の大御所流を入れることは、三下奴さんしたやっこならば知らぬこと
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
またたびでさいの目をちょろまかそうという三下奴さんしたやっこの出来損いにやれる芸当じゃございません。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
何とか三下奴さんしたやっこあわれんでやっておくんなさいましよ。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
を連発する江戸まがいの三下奴さんしたやっこがあるかと見れば
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「そうおっしゃられちまっては一言もございません、何しろがんりきは、御覧の通りの三下奴さんしたやっこでございまして、先生方のように、字学の方がいけませんから、せっかくのお尋ねにも、お生憎あいにくのようなわけでございまして……」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)