万朝報まんちょうほう)” の例文
旧字:萬朝報
それは朝野ちょうや新聞から、後の万朝報まんちょうほうに立てこもった、黒岩涙香るいこうの翻訳探偵又は伝奇小説の、恐るべき流行に対する、出版者達の対抗運動で、当時硯友社けんゆうしゃの根城のようになっていた
数人の怪異ものがたりがすむと、背広服を着た肥った男があがった。それは万朝報まんちょうほうの記者であった。
怪談会の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
自分は、起きると下へ行く梯子段はしごだん万朝報まんちょうほうが置いてあるのを取り上げた。京都では東京の各新聞はちょうど一時頃に配達されるのだった。自分は、何気なく万朝報を取上げた。
天の配剤 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
二人はこのごろ東京の新聞ではやる宝探たからさがしや玄米一升の米粒こめつぶ調べの話などをした。万朝報まんちょうほうの宝を小石川の久世山に予科の学生が掘りに行ってさがし当てたことをおもしろく話した。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
四日——万朝報まんちょうほうの米調べ発表。玄米一升七三二五〇粒。△今年は倹約せんと思ふ。財嚢ざいのうのつねにきょなるは心を温めしむる現象にあらず。しょせん生活に必要なるだけの金は必要なり。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)